2010/06/05

とある電子書籍化サービスのおもしろいビジネスモデル。

iPadやKindleの発売に伴い、本をデジタル化して読むという電子書籍が脚光を浴びていて「2010年は電子書籍元年だ!」と騒いでいる人も大勢いるが、僕はどちらかと言ったら出版物(特に雑誌)を電子書籍化することによって雑誌の出版文化が復活する、という考えには非常に懐疑的だ。

理由は単純。ライフスタイルが多極化している現代人には雑誌などを読む時間などほとんど無いからだ。新聞も同様。ホリエモンがかねてより指摘している考え方(iPad時代の電子書籍の一形態としてのメルマガ)にも大筋同意する。情報が多すぎてどの情報を消化していけばいいのかわからなくなってきている時代に、雑誌や新聞は情報量を多すぎる。その号の特集だけ読みたいのに、一冊まるまるついてくるなんて無駄だと思う。「無駄からアイデアが浮かぶ」などと言う人もいるが、ネットサーフィンやtwitterの方が遥かに効率が良いし便利だ。
そんな世の中だからこそ、その日の出来事を集約してくれているYahooニュースなどは親しまれるのだ。

雑誌業界の人は雑誌をそのままデジタル化する、などという考えは捨てて特集ごとに小出しで売るという先方の方をとった方がまだマシなのでは?


という批判をさんざん繰り広げてきたわけだが、実は僕も「2010年は電子書籍元年だ!」と感じてはいる。FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500プラス 断裁機 裁断幅A4 PK-513L 26-106を使って電子書籍を"自炊"する人が増えているためだ。(電子書籍の自炊についてはこちらを参照→isologue - by 磯崎哲也事務所: ビジネスマンのための書籍スキャン入門ー既に始まっている電子出版

そんな中、1冊100円で手持ちの本を電子書籍化してくれるという代行サービスがtwitter上で話題になった。このサービス会社に手持ちの本を梱包し送ると電子書籍化して送信してくれるというビジネス。
→ BOOKSCAN(ブックスキャン) 低価格・書籍スキャンサービス - 大和印刷

しかし、このサービスはあまりうまく行かない気がしている。100円は低価格だが、そもそもの話わざわざ本を梱包して送るという作業自体が非常に面倒くさい。個人での需要はあまり多くない気がする。そもそも本はよく読む部類に入るであろう僕に、このサービスに依頼しようという気が沸いてこない。

そんな中、tweetで流れてきていて知ったのだがおもしろいサービスを発見した。
→ 1冊90円~本(書籍)の電子化/PDF、スキャン代行サービスなら-スキャポン-

同じ低価格書籍スキャン代行サービスなのだが、ビジネスモデルは大きく違う。こちらのサービスは、amazonや楽天ブックスなどのオンラインブックストアで購入した本を直接この会社に送り、自分を介す事無く電子書籍化してくれるというモデルである。わざわざ自分で梱包する手間もない。もちろん前者のサービスである手持ちの本を送りスキャンしてもらうことも可能。
こちらのサービスは何気に流行るんじゃないか?と睨んでいる。なぜなら消費者の我々からしてみたら、書籍が本で届くか電子書籍で届くかの違いしかないからだ。梱包するなどという煩わしい手間もいらない。

おもしろくて便利なサービスを思いつくものだ、と感じたのでした。

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